1 はじめに
本日もブログをご覧くださりありがとうございます。今回はびゅうトラベルサービスが主催するカシオペア紀行のツアーに参加してきましたので投稿します。
さてカシオペアと言えば1999年に上野と札幌を結ぶ全室A寝台の寝台特急として運行を開始し、同じ区間を走る北斗星とともに人気を博しました。特にカシオペアスイートの展望室タイプは発売と同時に売り切れるほどでした。今では少なくなった食堂車が連結されていてフランス料理と懐石料理が提供され朝食もありました。2010年には牽引する機関車が写真のEF81形機関車から客車と同じ色をしたEF510形機関車に変わりました。（後ほど掲載）
牽引する機関車は本州と青函トンネルは電気機関車ですが北海道内は写真のDD51形ディーゼル機関車が重連で引っ張りその姿を札幌駅で見たときはかっこよさに目を引かれました。（北海道内で見たのはこれが最初で最後）2016年3月に北海道新幹線が開業するのに伴いカシオペアが廃止されました。しかしその後2016年6月に団体列車として運行を再開して2017年2月に北海道乗り入れは無くなりましたがJR東日本管内で各種ツアーが組まれて随時運転されてます。
2 今回私がカシオペア紀行に乗車した理由
実は私は今までカシオペアどころが北斗星、トワイライトエクスプレスにすら乗ったことがありませんでした。乗るチャンスは何度かありましたが資金がなかったり青春18きっぷ旅に夢中になるあまり乗れずじまいでした。撮影は何度もしてるのに・・・今は乗ろうにも北斗星やトワイライトエクスプレスは運行を終了して車両はありません。しかしカシオペアはまだ車両はある。そんな中で2021年12月にカシオペア紀行のツアーの存在をインターネット上で知りました。
ここで乗るしかない。
早速一人で申し込みました。申し込んだのはカシオペアツインという最も多いタイプの個室を使用するツアーで3日間で約19万円しました。カシオペア車内では夕食にお弁当を食べ、その後は岩手や秋田を散策します。しかし申し込みをした後に思いました。
フランス料理が食べたいなあ・・・
カシオペアは寝台列車で移動が楽しみですがその食堂車で食べるフランス料理も一つの目玉です。フランス料理も食べる機会がないし、夜行列車食堂車での食事など未知の世界でした。調べ直してみましたが一人で利用するツアーはすでに満席で残っているのは二人用のツアーでした。カシオペアは二人で利用することが前提なので一人だと少し高めの設定なのです。誰かを誘わなければ・・・その時に私はある人物が思いつきました。
母親
私を育ててくれた母親です。女手一つで一人っ子の私を育ててくれました。
資格試験の費用を負担してくれました。
車の運転免許の取得費用を出してくれました。
一人暮らしを始める際に家具をそろえてくれました。
何よりも北斗星に乗ったことのない私をブルートレイン北陸や初めて一人で北海道に渡るときにはまなすに乗せてくれました。この時に乗ったブルートレインは忘れられません。私は決意しました。
母親をカシオペア紀行に乗せて恩返しをしよう！
早速母親に電話をしました。驚き少し泣いているようでした。改めて申し込んだのはカシオペアスイートのメゾネットタイプを利用するツアーで値段は2人で約41万円と当初の倍に跳ね上がりましたがそれでもいいと思いました。カシオペアは大切な人と行くのが何よりですし親孝行はできるうちにしたいという思いがあったのと親が今まで支援してくれたこと考えるとお金を使う価値があると感じました。
こうしてコロナ渦の中で2月中旬に催行が確定して3月5日に親孝行の旅が始まりました。
3 カシオペアで上野駅から旅立つ
2022年3月5日 晴
私達親子は上野駅に降り立ちました。北に向かう長距離列車はいつもこの上野駅から発車してました。
上野駅の受付で乗車証を受け取ってきました。こちらが今回カシオペアの切符変わりとなります。同時にツアー担当のガイドさんと初対面して挨拶をします。前日にも電話がありとても親切なガイドさんでした！
15時50分に上野駅13番線ホームにカシオペアが入線!カシオペアの展望室が前向きになっていますがこれは上野駅が行き止まりの構造になっていて機関車を付け替えることができないため機関車が後ろから押す推進運転を行い、前に監視を行う推進運転士が乗務する方法をとってます。この方法は過去に北斗星や北陸などの夜行列車で行われてました。
無事上野駅13番線にカシオペアは入線しました。今回牽引する機関車は過去に北斗星を牽引してました。側面には流れ星のマークがあり夜行列車に使う機関車としてはぴったりです。北斗星に乗ってない私としてはなんだか北斗星の魂がそのまま移ったようで運命みたいなものを感じました。
列車の前で記念撮影。
私が乗車する車両の1号車まで来ました。大きな窓のある部屋が一番人気のカシオペアスイートの展望室タイプです。
車内に入っていくとスイートメゾネットは2段構造になってます。下段に入っていくとベットが二つ並び寝間着とアメニティセットが準備されてました。
上段にはくつろぐためのリビングスペースがあり、テーブルの上にはウエルカムドリンクが!岩手名産の葛巻ワインもそろえられていて驚きました。
そして16時20分にカシオペア紀行は社員に見送られて発車!盛岡までの約15時間の旅の始まりです。
列車は私の地元浦和を過ぎてさいたま新都心駅を通ります。いつも見慣れている光景を豪華寝台列車で通過するのが私にとっては今回の旅の楽しみの一つです!沿線で手を振る方も多く手首が疲れそう（笑）
途中カシオペア紀行は沿線で撮り鉄の方の歓迎を多く受けました。こちらは高校時代にコンパクトデジカメで撮影したもので特に東大宮と蓮田の間は有名な撮影地で「ヒガハス」と呼ばれています。私は通ってた高校が近いので帰りによくカシオペアを見たものです!牽引してるのはEF510形電気機関車で客車の色とマッチしていて美しいです。
おやつにアイスクリームをいただきました。ミルクたっぷりですがスゴイカタイ!
車内を探検がてらラウンジカーに向かいます。偶然空いてたのはカシオペアにもっと多いタイプのカシオペアツインの客室。椅子がベットに変身します。
カシオペアのラウンジカーに到着しました。1号車から12号車までの移動なので少しばかりの運動。車内は誰もいなかったのでのんびりできました。
ラウンジカーの先頭からは機関車との連結面がばっちり見えます！（写真左）車内にはカシオペアノートなるものがあり私と母も今回のカシオペア紀行にかける思いを記しました。
列車は18時8分ごろに宇都宮駅に運転停車しました。この後アナウンスがありダイニングカーのお席のご用意ができたのでお越しくださいとのこと。心躍らせて親子で向かいました！
4 ダイニングカーでフランス料理を味わう
カシオペア紀行の乗車証を受付で見せていよいよ夕食の始まり!こちらのボードはアテンダントの方の手作りでセンスがあります！
夜も更けてきてダイニングカーの雰囲気も出てきました。ダイニングカーは満員だと24名でのご利用ですがコロナ対策として半分の12名での利用でした。隣のテーブルに座らず交互に着席する形で利用されました。
私たちも着席しました。フランス料理を食べることなんかまずありませんし、それを食堂車で食べるなんんて史上初の体験です。帽子（ひざかけ）みたいなのはなんだ・・ナイフとフォークは外側からか内側からか・・よくわかりませんでしたがとにかく食事を楽しもうと決心しました。
まずはオードブルが出てきました。ホタテの貝柱を使いソースは濃厚です。真ん中の5本の線はカシオペアのカラーをパプリカで再現してます。さっぱりしている味でソースと合わせるとおいしさが増えました。
次は魚料理。真鯛が使われていて噛み心地は柔らかいです。ここでパンが出てきましたが外はカリっと中はふんわりしていてバターもとろけました。
肉料理は国産牛をロース肉でおいしい野菜とともにいただきます。肉は柔らかく口の中でとろけました。肉の左に花びらが並んでるのがリンゴのソースで肉につけて食べるとこれが不思議！肉とよく合いました！先ほど食べたパンもここでお代わりします。
食事中の一枚。母が嬉しそうで何より!
締めくくりはデザートです。チョコレートケーキとフルーツシャーベットが出てきました。食後のコーヒーが出てきて母との少しの会話を楽しみます。飲み物を別途頼んだので会計を済ませて19時45分にダイニングカーを後にします。この1時間20分は忘れられず、出てきた料理はどれも芸術作品のようでした！
カシオペアは静かに夜の東北本線を行く・・・
5 シャワーを浴びて就寝、気分が上がって寝れずそれも夜行列車の醍醐味！
列車は松川駅に停車中です。21時ごろになりましたのでそろそろ寝る準備をしたいと思います。
ベッドにあった寝間着を用意してカシオペアポーチにあった石鹸類を使ってシャワーを浴びたいと思います。
カシオペアスイートは全ての個室にトイレとシャワーがついていて個室からでなくとも生活できてしまいます！シャワーは扉を閉めると使えしかも18分間とかなりの余裕があります。最初に母が浴びてその後私が浴びましたが10分ほど時間が余りゆとりがあって快適なシャワーで「走るビジネスホテル」です！
歯磨きをしなければなりませんが洗面台はどこだと思ったらなんと収納から出てきました。鏡を開くとコップを置くスペースがあり、狭い空間をうまく使ってるなと感じました。
いよいよ就寝します。おやすみなさい・・・
就寝中に急停車したので目覚めてみたらなんと東北本線で人身事故が発生してカシオペア紀行が岩沼駅で運転見合わせになりました。ちなみに右の写真の時刻表は常磐線の列車で当時強風で大幅に遅れていたところ岩沼駅で足止めになった模様です。運転を再開したのは2時以降で2時間近く止まってました。写真はありませんが急停車の衝撃でリビングのテーブルにあったウエルカムドリンクのコップ類が全て落ちました。機関車が引っ張る列車は連結器に多少の隙間があるので衝撃も普通の電車に比べて大きいのです。列車が動いたのを確認して再び夢の中へ…
2022年3月6日 雪
おはようございます。列車はただいま北上駅に停車中です。途中人身事故の影響で運転を見合わせてましたがダイヤに余裕があるので遅れは見事に回復しました。
北上駅を出発後朝日が出現!
列車はまもなく終点の盛岡駅に到着します。カシオペアスイートともお別れの時が近づいてきました。車内で過ごした約15時間は一生忘れません、乗せてくれてありがとう！
7時30分に列車は無事盛岡駅に到着しました。到着と同時に私を含めて写真撮影に夢中でした。雪が降っていたのでホーム上は大変滑りやすかったです。
牽引した機関車はすでに切り離されてました。このあと機関車を反対側に連結するために盛岡駅構内を誘導担当の職員をのせて走っていました。
カシオペア紀行はいくつかのツアーに分かれていてこの後は各ツアー別の行動になりました。私の参加してたツアーは朝食をとるため盛岡駅近くのホテルに移動します。なおこの模様は次に投稿するカシオペア紀行のツアー編の記事でその模様をお送りします。本日もブログをご覧くださりありがとうございます！
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