本日もご覧くださりありがとうございます。前回函館周辺を周りましたが今回は札幌に向かうにあたっていろんな廃線を路線バス中心に乗ることにしました。
1 国鉄、私鉄のいろんな廃線
2024.3.5
新函館北斗と七飯で乗り換えて普通列車で北上。1両編成の車両は青春18きっぷの利用者でいっぱいでした。
国縫(15:14)→上三本杉(16:34) 函館バス
国縫からは瀬棚方面に向かいます。この区間は1987年に廃止となった瀬棚線が走ってました。瀬棚港からの物資輸送で活躍してましたがトラック輸送が広まり自動車も発達して役目は失ってしまいました。
車窓に目を向けると右手には美利河(ぴりか)ダムが見えました。湖はピリカ湖となっていてカタカナで呼ぶのはとても珍しい。
森を抜けると今金(いまかね)町の中心部が見えてきました。この建物は今金町役場。
バスの終点、上三本杉に到着しました。この日江差に上陸していったん日本海を離れて内浦湾沿いを北上してもう一度日本海、コの字ように移動しました。以前は江差からそのままバスで北上できましたが間のバスがデマンドタクシーになったのでもう日本中をバスだけで移動するのは簡単ではありません。近くの菓子店でスイーツを手に入れ糖分補給。
甲田菓子店
〒049-4816 北海道久遠郡せたな町瀬棚区本町343−1
9:00~17:00
0137-87-3065
水曜定休日
瀬棚町の中には銅像を見つけましたがこれは日本初の女医荻野吟子(1851-1913)が瀬棚町で開業をしたからなんです。荻野吟子が生まれたのは暑い街として有名な埼玉県熊谷。
銅像の近くには旧瀬棚駅のモニュメントもありました。役場があるせたな町の中心部は一駅隣の旧北檜山(きたひやま)駅でそこには函館バスの営業所あり。
瀬棚市街(17:34)→長万部温泉入口(19:08) 函館バス
夕食はセコマでおにぎりとおかずを買って再び長万部へ…
この日は長万部温泉に素泊まり。予約時は楽天トラベルにヒットしなかったので奥尻島同様電話で予約しました。大浴場で少し会話した男性のおすすめ北海道グルメは回転寿司だと教えてくれました。
ホテル四国屋
〒049-3521 北海道山越郡長万部町長万部403
15:00チェックイン 10:00チェックアウト
0153-77-9305
長万部駅から徒歩17分
2024.3.6
長万部(6:03)→黒松内(6:24)
おはようございます。この日は二駅先の黒松内駅まで移動。早朝の駅は券売機が開いてないので列車内で整理券をとって現金支払い。
朝食をまだ食べてなかったことに気づきましたがセコマ、ありました。氷点下10度の寒さでほんとの緑茶を購入、というか体を温めないと凍る(笑)
黒松内町を訪問するのは初めて、役場は新しくてきれいでした。
黒松内(7:39)→寿都T(8:10) ニセコバス
黒松内から目指すのは日本海側の町、寿都(すっつ)。バスは一日たった3本。
バスの車内は地元の方が数名乗られてました。氷点下10度からのバスは本当に温かい…。
ニセコバスの寿都ターミナルからは少し歩くと役場がありました。
役場には駅名票が! 1920年から1968年まで黒松内から寿都まで寿都鉄道という私鉄が走ってました。細々と運営していて廃止前は一日1往復しか列車が運行されてませんでした。経営は火の車で従業員も相当苦しい思いをしたのかも…。
寿都T(8:55)→岩内T(10:03) ニセコバス
寿都からは海岸線に沿って岩内まで向かいます。ここから倶知安まで後述の岩内線と合わせて鉄道で結ばれる計画があり寿都鉄道は国鉄買収を期待してましたがそれは叶わず。写真のようなコンパクトなバスで座席は少し固め。お客さまは十分にいたので数によってはこれでも十分です。
岩内では時間があり甘いものが欲しくなって近くのパン屋さんへ。右のカレーパンは絶品、左の四角いパンは中にチョコが入ってました。ここは地元の福祉協議会が運営していて障がいのある方の支援を行っています。
ベーカリーサンライズ
〒045-0001 北海道岩内郡岩内町大浜
10:00~16:00
0153-62-0573
日曜定休日
岩内T(10:40)→倶知安(11:24) ニセコバス
岩内ターミナルできっぷを買ってバスに乗車。1985年までは国鉄岩内線が走ってましたが先述のように長万部から日本海に沿って結ばれる計画がありました。その理由は並走する函館本線が急勾配でカーブが多くバイパスルートを作ってこの課題を解決しようとしたからなんです。過去に函館本線に乗車したことのある私としては確かに長万部から倶知安まではアップダウンが少なく直線が多いので乗り心地はいいように感じました。
倶知安でちゃんとした昼食を食べたいと思いカフェに入りました。650円のおにぎりセットを頼みましたが海苔はパリパリ、豚汁は温かく寒い体に沁みわたりました。このカフェはNPO法人が運営する障がい者自立の支援施設でスタッフの方が頑張っていることがわかりました。
コミュニティカフェ わっくわく
〒044-0053 北海道虻田郡倶知安町北3条西2丁目1−1
10:00~16:00 (12月から3月は15:00まで)
0153-67-8090
木曜定休日
倶知安から廃線を路線バスで巡ります。倶知安からはかつて国鉄の胆振線が喜茂別、大滝を通って伊達紋別まで83㎞を結んでました。1986年に赤字のため廃止されてその後は道南バスによって運行がされてました。しかし2022年9月30日…。
喜茂別から大滝が廃止
胆振線区間の中でも特に少ない中間の部分が廃止となりました。鉄道代替バスは行政からの支援を受けて運行しているので余裕がなくなれば運行は難しくなる。さらに乗る人が少ないとなれば廃止にするのもわかります。数人のために多額のコストをかけたくないですもん。とはいっても喜茂別町と大滝地区にはコミュニティバスもあるので不便ではありません。
倶知安(13:00)→京極T(13:28) 道南バス
道南バスに乗って胆振線をバスで走行、道南バスはPaypayをはじめとするQRコード決済を導入しており各座席にあるQRコードを読み取って降車時に運転士さんに支払い画面を見せるとキャッシュレスで支払いできます。私も使ってみましたがちょっと読み込みに時間がかかりましたがなんとか支払い完了。しかし私以外の乗客はQRコード決済を使ってませんでした。私は2023年3月に十勝バスでQRコード決済が使えなかった経験があります。スマホはどこでもつながるわけではないので現金は持ちましょう、絶対。
初訪問の京極町では役場周辺を散歩。
京極町を今回訪問した目的は左の写真。私は北海道旅行の時好んでセコマの2Lの水を買うのですがその水が京極町で採れるものでどんな街か気になり訪問してみることに。寒かったので町内の温泉に入りましたが温まり露天風呂からは美しい羊蹄山を眺めることができました。
京極T(16:43)→喜茂別(17:00) 道南バス
京極からは道南バスで喜茂別を目指します。喜茂別では夕食の買い出しをしました。
バス停を見るとかわいいキャラクター「ウサパラくん」を発見。喜茂別特産のアスパラガスが耳になったウサギで喜茂別のどこかに住んでます。喜茂別町営バスは胆振線なき現在はかつての御園駅付近まで営業してます。
喜茂別(18:01)→定山渓(18:46) 道南バス
喜茂別からは札幌に向かいますが倶知安、小樽経由より面白いルートがありました。洞爺湖と札幌を結ぶ道南バスで途中札幌の山奥にある定山渓温泉を通ります。洞爺湖方面から10数名のお客さまが乗ってて私も事前予約したチケットをスマホで提示して乗車。車窓はというと夜で何もないところだったので真っ暗。
定山渓で途中下車して温泉と行きたいですが時間がなく近くの足湯で済ませました。バス停をよく見るとなんと東急電鉄のロゴマークがあるではないか。ここから札幌にはかつて定山渓鉄道という私鉄が走っていて1957年に東急電鉄が買収して東急グループとなったのです。鉄道は1969年に廃止されましたが路線バスにはその名残があります。社名は1973年にじょうてつとなり今も東急が半分以上の株を保有してます。
定山渓車庫前(19:30)→真駒内(20:16) じょうてつバス
車庫からバスに乗りましたが当時猛吹雪バス停前に立ってたらあっという間に真っ白。バスはかつての駅豊滝、簾舞(みすまい)、藤野と多くの方を乗せていきました。じょうてつバスは乗る以前から運転士不足による減便が相次いでいます。地域の足として頑張ってほしいです。
真駒内(20:25)→(20:42)真駒内(20:49)→宮の沢(21:04)
真駒内では地下鉄に乗り換え、定山渓鉄道は廃線となりましたが真駒内から札幌は1971年に札幌市営地下鉄南北線として生まれ変わりました。日中でも10分未満の運転間隔で6両編成。もし定山渓鉄道が長く残ってたらかなり発展してたかも…。札幌の地下鉄はゴムタイヤで走るので線路も右の写真のように変わってます。
宮の沢(21:23)→新富丘(21:35) JR北海道バス
宮の沢から路線バスで本日のお宿へ。手稲駅から歩いて15分ほどにあるカプセルホテル「ちょい寝ホテル札幌手稲」で宿泊だけでなく少しの休憩までできます。このホテルかなりきれいなのでまたリピートしたいです!
ちょい寝ホテル札幌手稲
〒006-0013 北海道札幌市手稲区富丘3条7丁目1−58
18:00チェックイン 10:00チェックアウト
0116888707
手稲駅から徒歩15分
2 夕張へ再び
2024.3.7
おはようございます。宿で朝食をいただきます。このホテルは朝食に食パンが2枚無料というサービスがありコーヒーやスープまでついてきました。宿のオーナーの方と朝話しましたが調べるとオーナーのお子さんが入退院を繰り返してた時に入院患者の家族の負担を少しでも減らしたいという思いからこの安く泊まれるカプセルホテルが誕生しました。手稲地区には病院が数多くありもしかすると医療体制の整ってない道内各地からも入院されてる方がいるかもしれません。今回は手稲駅から列車に乗るのですがなんと送迎がついてました。これで1泊3278円、ありがとうございました。
手稲(6:07)→(6:24)札幌(6:48)→新夕張(7:52)
手稲駅からは札幌乗り換えでおおぞら号で新夕張駅まで、向かいました。自由席で乗れるのもこの時点であと少し。2024年3月16日以降は札幌と釧路、函館を結ぶ特急は全席指定席となりました。
新夕張駅に到着しましたが降りたのは私含めて2名。駅前はすごい静か。
ここから夕張まではかつて石勝線の支線が走ってて私も2017年3月に北海道東日本パスで乗りつぶしをしました。その後乗客減少により2019年3月に廃線となりました。今回廃線になったあと町がどうなっているのか、7年ぶりに行くことを決めました。
新夕張駅(8:34)→夕張市役所(9:15) 夕鉄バス
石勝線が夕張までが廃止された後はこの夕鉄バスが生活を支えています。車内で運転士さんから1日乗車券を購入していざ出発、札幌から特急に乗車してバスに乗り換えたのは結局私だけでした。
バスに乗ると次の停留所案内のほか美しい女性の声で観光案内。夕張出身の歌手大橋純子さん(1950-2023)で思い出とともに夕張のことを語り始めました。その中でこんなフレーズが
なんでバスなのに鉄道なんだろう?
乗車してる夕鉄バスの正式名称は「夕張鉄道株式会社」。そう夕張には石勝線以外にも夕張鉄道という私鉄が走ってました。1974年に路線は北海道炭鉱汽船に譲渡されて1975年に廃止、栗山町、南幌町を経由して野幌で国鉄に接続して札幌までのルートとして機能してました。しかもこの夕張鉄道は東急電鉄創始者の五島慶太が先に買収してた定山渓鉄道と一本化して直通運転する構想までありましたが結局実現はしませんでした。東急、やばい!!
バスを降りて夕張市役所周辺を散歩。市役所は年季が入ってて静かな雰囲気ですがトイレ周辺は暗くてちょっと怖かった。
夕張市役所(9:34)→清陵町(9:59) 夕鉄バス
夕張市役所からは折り返しの新夕張駅行きに乗車して途中下車。訪れたい場所がたくさんあるので上りと下りをうまく活用。
歩いていくとここには坑道の入り口がありました。夕張は石炭産業で栄えましたがその中で1981年に北炭夕張新炭鉱ガス突出事故が発生しました。坑内に流出したメタンガスとそれによる火災で93人の犠牲者が出てしまいました。夕張を鉄道で7年前に訪問した時はこんな事実は知りませんでした。市役所に向かうバスの車内でも大橋純子さんによる放送でこの事故の解説がありました。便利な産業の裏で犠牲者が出るのはなんだか悲しい…。
町の中を歩くと駅舎っぽい建物がありましたがこれは旧南清水沢駅。廃止後は駅舎で蕎麦屋が営業中。
清水沢地区には2020年に新たな複合施設りすたがオープンしました。旧夕張駅周辺は衰退を感じますが新たにこの清水沢地区を中心に「まちの駅」として夕張市民が集結してました。バスには20人近くが並んでいて北海道の他の自治体よりも利用が多いように感じました。りすたの中にはかつて町を支えてた石炭の展示がありました。
りすたの近くには地域支援センター「ライフねっとゆうばり」が運営するレストランとパン屋があったので昼食。従業員のかたは障がいを抱えるかたもいましたが一生懸命対応してて持ってきてくれたカツカレーはボリューム満点!!自閉症を抱える障がい者の私はなんだかうれしく感じました。地元の方との会話で活気にあふれて暗いイメージだった夕張が明るく変わりました。
カレーハウス朋・ベーカリーめぐみ
〒068-0536 北海道夕張市南清水沢4丁目29
11:00~14:45
0123-59-7781
りすた(11:51)→鹿ノ谷(12:13) 夕鉄バス
りすたから次は旧鹿ノ谷駅を訪問。りすたで待っているときはカレー屋さんであった女性としばしの会話を楽しみました。一人旅にとって地元の方との会話は楽しいですし町の活気につながります。鹿ノ谷駅はしっかり駅舎が残ってました。
夕張駅からは札幌までの直行バスが一日3本出ています。バスの本数は少ないのですが他にも夕鉄バスが先述の夕張鉄道線のルートを行くバスが運行されてました。しかし運転士不足と乗客減少で2023年9月末を最後に札幌直通が廃止、夕張鉄道はバスでもなくなってしまいました。
鹿ノ谷(12:45)→南幌ビューロー(13:52) 北海道中央バス
日本全国の廃線をバスで乗る自分はもう夕張鉄道はバスで乗れないから今後も夕張自体訪問する気はありませんでした。しかし北海道中央バスのゆうばり号はかつての夕張鉄道を踏襲しており今後バスがどうなるかわからない。やはり行こう。このバスがあることで夕張訪問を決めました。そして肝心のバスは…。
乗客2人
最初は私だけで途中の夕鉄バスターミナルから一人乗ってきましたが夕張市内からはこれだけでした。1日3本のバスがこの状態では夕鉄バスが廃止するのもわかります。夕張鉄道はかろうじて形は残ってるけどこれは大丈夫なのか…。
バスは栗山駅に到着してここからはバスの本数、乗客が増えました。結局ここまでは私含めて2人だけでした。
私は途中の南幌ビューローで下車。夕鉄バスが夕張から札幌直通を廃止後、この南幌町で路線は途切れました。
南幌町は札幌のベッドタウンということもあり住宅地がどこまでも広がります。
南幌ビューロー内には売店があり特産のキャベツを使ったどら焼きがありました。他にも町内の福祉施設が作るクッキーも販売してたので一緒に購入。
南幌ビューロー(14:26)→新札幌駅(15:48) 夕鉄バス
南幌町からは再び夕鉄バスに乗車して新札幌駅に向かいます。晩翠、江別を経由して野幌で営業所に停車。夕鉄バスは貸し切りバスも営んでおります。途中通過した酪農学園大学は東京ドーム28個分の広さをもつ大学ですごい大きさでした。
その後新千歳からJALで地元に帰還しました。そして2024年5月に私は衝撃の知らせを聞きました。
2024年9月末高速ゆうばり号廃止
恐れていたことが現実となりました。まあゆうばり号は乗客が私含めて2人じゃ人を乗せて稼ぐバスは機能していないようなもんです。それに夕張からは新夕張乗り換えで特急列車を利用できるので足がなくなったわけではありません。今回の北海道旅はなによりも最後の夕張市訪問が有意義でしたし夕張鉄道をバスでたどることができたのは私としてもうれしいです。
今回の旅で感じたことは路線バスだけで日本中どこでも行ける時代は終わりました。これからは鉄道やタクシー、徒歩も含めて使えるものを使うしかないことです。旅は難しくなってますがそれでも考えればまた楽しいものです。
また今回含めて今までいろんな福祉施設が運営する店で買い物と食事をしました。そこで今後も旅先で福祉施設等があればできる限り利用して地域の活性化と笑顔に貢献していきたいと決めました。私は自閉症持ちの障がい者でできることはいろんな交通機関に乗ることあわせてそれしかないですがまたいろんなところに出かけたいです。
長くなりましたが本日もご覧くださりありがとうございます。
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