本日もご覧くださりありがとうございます。米沢から会津まで徒歩18㎞を挟んだバス乗り継ぎ旅をしましたが今回は会津若松から只見線の旅を実行しました。
1 只見線のその先には
2023年11月7日
会津若松(6:08)→会津川口(8:05)
会津若松駅からは始発の小出行の列車に乗車。只見線は2011年の豪雨災害で会津川口只見間が11年以上不通となっていましたが2022年10月1日に11年の時をえて復活した奇跡のローカル線。この只見線、不通となったのは2011年ですが復旧工事に着手したのは7年近く経った2018年、廃線が濃厚でしたが沿線自治体の熱意によって線路などの施設を福島県が保有する上下分離方式で復活が決定した経緯があります。災害で廃線となるローカル線が多い中では本当に異例の事態でした。私も復旧3日目に乗車したことがありますが車内は満員でした。
朝食は前日に会津若松のスーパーで購入したパン。この時の車内は座席が埋まって立ち客が出るほどでした。復旧から1年以上たったこの時も只見線は賑わいを見せてました。この路線、伸びます!!!
会津坂本駅に到着。駅舎になっているのは有蓋車という貨車で国鉄をはじめ広く使われてましたが最近は見かけなくなりました。余剰となった貨車はこのように駅舎や倉庫になっているものがあります。
会津川口駅で下車。私の乗車した列車は小出方面に満員のお客さまをのせて走りました。会津川口と只見の間は上下それぞれ3本しかありません。
会津川口駅(8:23)→大芦(9:15) 会津バス
会津川口からは民間の路線バスが出てるので私はそれに乗ってみることにしました。この時点で乗客は私一人。
金山町の会津川口駅から昭和村に入りました。初めて聞きましたがこの昭和村は「日本で最も美しい村連合」に加盟していて名前の通り美しい山々が見えてました。ちなみにまだお客さまは私だけ。
昭和村の中心部を過ぎるとバスは勾配を上り山中へ。しばらくするとまた人家が見えてきた。
終点の大芦まで結局乗客は私だけでした。運転士さんから何にもないと言われてどうするか聞かれましたがここで散歩すると伝えて下車。運転士さんはバスを閉めると近くに停まってた自動車でどこかに行きました。
大芦地区は少し離れると豊な森林が周囲にそびえる場所。空気もきれいです。この昭和村はこの地区にあった大芦村と野尻村が合併して1927年に誕生した歴史ある村。
紅葉が色づいてますがバスの運転士さん曰くこれでも色は薄いのだそう。
昭和村はなにも調べずに行ってきたのでどこ行こうか悩んでましたが湿原があると気づいて行くことに。前日に18㎞歩いた自分からすると2.5kmなんて大したことなく感じました。矢ノ原湿原は村の天然記念物に指定されて野鳥や植物がとても豊か、少し寒い…。
湿原に立ち寄ってからは村をただ散歩。庭先で野菜を洗っている村民に挨拶を交わしてご近所さんに会うと井戸端会議のはじまり。お金を落としてないので神社でお賽銭を投じてお参り。この近くにはそれぞれの家の新聞がまとめて10戸分あるポストがありました。新聞は村民の方がこのポストまで取りに来る、ばったり会えばそこからコミュニケーションが生まれるのかも。
大芦(11:00)→会津川口駅(11:55) 会津バス
バスの運転士さんが戻ってきてバスを開けました。行きのバスはお客さまが乗ることはほとんどないのでこの日私が乗ってるのはとても珍しかったのです。バスが発車して見えたのは旧喰丸小学校で1980年に廃校となりました。現在は観光交流施設として生まれ変わりました。
昭和村へは会津田島駅からも金子観光バスによって運行されておりしかも親会社は金子建設株式会社。しかし会津田島駅からのバスは12月から3月の冬季は運休なので冬の昭和村へはこの会津川口駅からのバスが唯一の手段でまさしく生命線です。通過してるのは「道の駅からむし織の里しょうわ」でからむし織は昭和村で育てられているからむしという植物を利用した伝統工芸品の織物です。金山町に入ると玉梨温泉からのお客さまが乗ってきていて運転士さん曰くここを訪れる観光客もこのバスを利用するそう。
2 台湾からの人が集まる三島町
会津川口駅でバスを下車して近くのパン屋さんで昼食のパンを購入しました。購入したのはコロッケパン、ロングソウセイジ、あんドーナツ。
カンケベーカリー
〒968-0011 福島県大沼郡金山町川口森ノ上473−2
9:00~19:00
0241-54-2926
金曜定休日
会津川口(12:29)→会津宮下(12:57)
当駅始発の会津若松行に乗車してパンをパクリ。夢幻峡で有名な早戸駅を通って今回の旅のもう一つの目的地会津宮下駅で途中下車。
三島町役場を訪問。人口は2023年11月現在1295人で昭和村と同じく「日本で最も美しい村」連合に加盟してます。
少し歩くと湧水がありその近くにはこの看板。台湾出身の歌姫「テレサ・テン」が1977年にこの三島町を訪問しておもてなしを受けてこの三島町を「日本のふるさと」と呼び三島町の特別町民になりました。その縁もあってか三島町には多くの台湾の方が訪問しています。テレサ・テンも三島町を訪問した時は東京から列車を乗り継いで只見線に乗車しました。
三島町の中を歩くと見えたのは3つの橋。「アーチ3兄弟」と呼ばれて一3つのアーチ橋重ねて見れるのは日本でここだけ。手前から県道237号線宮下橋(次男)、只見線大谷川橋梁(長男)、国道252号新宮下橋(三男)。
次にやってきたのは第二只見川橋梁。ここは第一只見川橋梁と並んで有名な只見線のビュースポットですがここを選んだ理由は列車との距離が近いからなんです。只見線沿線の市町村にはおもてなしの心と愛着を持ってもらうために「只見線に手を振ろう条例」というものが制定されていて私も条例に従って小出行きの列車にお手振り。
会津宮下駅から一駅ぶん歩いて見えたのは色とりどりの花。「名入ざる菊園」に咲いた菊の花でカラフルなキノコのよう。10月14日の鉄道の日に開園して当初は11月6日に閉園予定でしたが開花が遅れたので11月12日まで延長されました。この菊園はこの日訪問するまで知りませんでした。
菊園から歩くと三島町の生活工芸館があったので訪問。三島町は会津桐の生産地で国内の中で最上級と言われるほど。箪笥が有名で女の子が生まれると庭に桐の苗を植えて成長した時花嫁道具の箪笥になるという風習が会津地域にあります。しおりが売られてたので購入して職場にある本のしおりにすることにしました。
列車の時刻が近づいたので最寄り駅の会津西方駅へ移動。無人駅で待合室だけの駅ですが駅ノートと電話帳がありました。ほうきがあるので掃除ができます。
会津西方(16:06)→(17:24)会津若松(17:30)→郡山(18:36)
小出駅始発の2両編成の列車が入線してきて車両のボタンを押して乗車。車内は立ち客が出るほどの混雑です。しかし1人の運転士で多くのお客さまを運べることこそが鉄道をはじめとする公共交通機関の強み。その強みが生かせてない路線が多い中で只見線は全線運転再開したことで人の流れを活発にしました。
郡山(19:00)→大宮(20:18)やまびこ218号
会津若松駅でコインロッカーに預けた荷物を取り出して郡山で新幹線に乗り換えて埼玉へ帰還。写真は郡山駅のスーパーで1000円以内で購入した酢豚弁当。座席は自由席ですが万が一乗り換え前に列車が遅れた場合には後続に乗れればいいので名前の通り自由が利きます。通路際にしか座れないかもしれませんが正直移動できればいいので座る位置など特に気にしてません!宇都宮からは一気に増えて満席に近い状態になりました。
今回山形県米沢と只見線を訪問しましたが公共交通について考えるいいきっかけとなりました。過疎化が進む中でも必要な人はいるのです。本日もご覧くださりありがとうございます。
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