2020年最長片道切符に挑戦! 発券から北海道へ旅立つ

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最長片道切符に挑戦

2020年9月某日

次の就職先が決まったのでこの日、駅員の仕事を退職することを上司に伝えました。新天地は11月半ばから行くことになっていたので有休消化などと合わせると20日以上の休みがありました。その時、この長い休みを使って何かできないかなあ、と思ったときあることが思いつきました。

稚内から肥前山口までのルート

最長片道切符

JRの乗車券は同じ駅を2回通らなければ北海道から九州まで好きなようにルートを組んで乗車券を作ることができます。それを活用したのが最長片道切符で私が挑戦した時のルートは稚内から肥前山口まで総距離10717.㎞という日本からスペインまで匹敵するかなり長いきっぷです。実は私も日本一周をやってみたいなあという思いが小さい時からありました。最長片道切符は主に時間のある大学生が夏休みに行うことがほとんどですが私は高卒で就職してその後長い休みが取れませんでした。そんな中で20日以上の休みがあり、貯金も少しある。

2020年9月28日

よし、やってみよう!悩み悩んだ末に決断しました。この日は泊まり勤務明けでしたがそしてまず取り掛かったのが工程の作成で時刻表とにらめっこ。中には一日数本のローカル線もあって工程に苦労しました。3時間昼食も取らずにようやく暫定の工程が完成。さらにネットを参考にエクセルで駅に出すルート表を作成して印刷。その足で大宮駅のみどりの窓口に向かいました。10人以上が並んでいて開いている窓口は4つ。10分ほど並んだ末に真ん中の若い職員に呼ばれました。

すみません、かなり複雑なきっぷなのですが…(ルート表を差し出す)

お預かりいたします。(ルート表を受け取る)

「…」(3分ほど固まる)

その後、今度は時刻表の路線図でルートを確認したため窓口に30分近くいました。おそらく私は変な客に見られましたね…そして名前と連絡先を聞かれてこの日の対応は終了しました。そして10月15日に留守番電話が入ってててかけると大宮駅につながり切符が完成したとの報告がありました。10月16日、駅員として最後の泊まり勤務を終えた後大宮駅に向かいました。

こちらが完成した乗車券。値段は91300円、実に2週間以上作成に時間がかかりました。このような複雑なきっぷは機械では作れないので職員が手計算を交えて距離と運賃を計算して複数の方でチェックをしたうえで発行されます。ルートはきっぷの中に記入されますが多すぎるので緑色のきっぷとは別にルートの書かれたA4の紙が付きました。そのルート表は私がきっぷを申し込む際に窓口に差し出したのと同じです。作成に携わった方々には本当に感謝しております。ありがとうございます!

きっぷを受け取った後、私はそのままの足で新橋駅に向かって近くのネットカフェで一晩過ごしました。

2020年10月17日

羽田(7:45)→新千歳(9:20) スカイマーク971便

ついに最長片道切符実行に向けて北海道へ出発。大雨が降る中新橋から羽田空港行の電車に乗ってスカイマークの飛行機で新千歳空港まで飛びます。機内ではコーヒーとキットカットをいただき、北海度は秋晴れの中定刻で着陸!

札幌では少しの観光をしたのち札幌ラーメンをいただきます。

札幌(12:00)→(13:25)旭川(13:35)→稚内(17:23)

ライラック15号→サロベツ1号

札幌からはあらかじめえきねっとで購入したトクだ値の乗車券で稚内まで移動。5時間以上の移動で北海道は広い!

稚内駅に到着して駅近くの「ホテル美雪」にチェックイン。この時にGOTOトラベルクーポンを1000円分もらい近くのセイコーマートで夕食を調達。

1日目 稚内から網走 旅の始まり

2020年10月18日

この日から最長片道切符の旅がスタートしますが稚内と言えば日本最北端。ということで日本最北端の地宗谷岬へ路線バスで行ってきました。観光客のグループの方に記念写真を撮影していただき私もカメラマンとしてグループの写真を撮影!ありがとうございました。

【1】稚内(13:01)→旭川(16:48) サロベツ4号

稚内駅構内の売店でハンバーガーを購入して食べた後改札を始める旨の放送があって列に並びます。きっぷを職員に見せると一瞬止まりながらもスタンプをぱちり。変わったきっぷながら冷静に対応した駅員はさすがです。稚内を出発してしばらくすると右手に利尻富士が見えてきれいでした。

その後は北海道らしくこのような原野がひたすら続くのみ、エゾシカも少し見えて人間はあまり見えない…

【2】旭川(17:05)→網走(20:49) 大雪3号

旭川に到着してここで2本目の列車に乗り換えてオホーツク海の網走へ。乗車券は新旭川で乗り換えることになってますが新旭川~旭川は途中下車しなければ料金がかからず利用可能。

座席は指定席の一番前を予約。まあ夜間の走行なので景色は見えませんが…旭川市内はしばらく家屋の明かりなどで線路はよく見えましたがしばらくすると山間部に入って勾配を上っていきます。

上川駅から次の停車駅の丸瀬布駅まで走行時間は50分以上で途中の停車駅は白滝のみ。かつては上白滝駅があり私も2013年の高校卒業旅行の時に営業してる姿を見ましたが2016年に廃止。標高がスカイツリーと同じ地点を通りました。

遠軽駅到着

遠軽駅でスイッチバックして私の座ってた席は一番後ろに。だんだんお客さまが少なくなってきて北見駅から乗ってる号車は貸切状態。

終点の網走駅到着後は駅の反対側にわたり、民宿ランプにチェックイン。女将さんに旅してるんですかと聞かれて最長片道切符を見せると感心してましたが驚く様子もなくしばしの会話を楽しみました。共同の風呂で汗を流して就寝。

2日目 網走から札幌 長い道中で最大の事件!

2020年10月19日

朝食は前日にセイコーマートで調達した牛丼とクリームパン。飲み物は節約のため2リットルの麦茶を用意しました。晴れた朝を迎えられて朝の美味しい空気を吸って網走駅へ向かいます。

【3】網走(6:41)→釧路(10:00) 釧網本線

釧網本線全線を走破する普通列車に乗って釧路を目指します。知床斜里まではオホーツク海を眺めて走ります。知床斜里からは海を離れて陸地に入って屈斜路湖、摩周湖に挟まれた川湯温泉を通っていきます。

最長片道切符の中での最大の事件がこの釧網本線車内で起こります。とはいっても私自身のトラブルですが標茶駅出発の時点で9時。当時株式投資を行っており9時の取引開始と同時にとある株を購入、その瞬間…

100000円溶けたああああああああ

はい、やらかしました。すぐに売りましたが売らなければ損がさらに膨らむところでした。茅沼を出ると壮大な釧路湿原が見えて株の損を忘れるほどの絶景。緑は美しく1両の列車はテンポよく音をたてて駆け抜けていく。そして東釧路で根室本線と合流して終点釧路駅に到着。

【4】釧路(11:24)→新得(13:32) おおぞら6号

釧路からは振り子式車両のおおぞら号に乗ります。使用車両のキハ283系は振り子式でカーブの多い根室本線も軽快に駆け抜けます。車内では釧路駅で購入した「こぼれいくらサーモンちらし」で北海道の味覚を味わいました。いくら、サーモンとサケフレークが入って鮭尽くし!

【5】新得(13:57)→東鹿越(15:04) 根室本線代行バス

新得から富良野までは根室本線を行きますが東鹿越までは2016年の台風被害で不通区間となっています。代行バスはほぼ乗り鉄と思われるお客さまを乗せてだんだん勾配を上っていく。

狩勝峠を上っていくと見えたのは開けた景色。かつての根室本線はこの狩勝峠を通っていて絶景は日本三大車窓になっていますした。1966年に新線に切り替わったことによって鉄道でこの景色は見れなくなりましたが代行バスによって復活。しばらく見入ってしまいます。

不通区間にあたる落合駅は草が生い茂り鉄道が走ることはほぼ不可能になって跨線橋も閉鎖されました。幾寅駅には高倉健さん主演の映画「鉄道員」の舞台で使われた車両のモデルが見えました。

【6】東鹿越(15:12)→富良野(15:51) 根室本線

東鹿越駅から再び列車の旅。1両の気動車がいて途中駅であるもののなんだか一昔前の終着駅のよう。映画「鉄道員」も舞台が終着駅なので似てるかも…

【7】富良野(16:55)→旭川(18:16) 富良野線

富良野駅で途中下車して「ふらのマルシェ」内で販売してたじゃがいもドーナツを食す。ほくほくしてて柔らかい!富良野と言えばラベンダーであるもののシーズンオフでラベンダーは見えず…

【8】旭川(18:30)→岩見沢(19:29) カムイ30号

外は真っ暗になって旭川から最長片道切符の工程上で初めての電車。今までディーゼルカーに乗ってきたのでスピードは早くも走行音は静か。

【9】岩見沢(19:38)→沼ノ端(20:56) 室蘭本線

乗るディーゼルカーは主に日高本線用で側面に沿線特産の馬のイラストが描かれてます。旅客列車は少ないですが追分から沼ノ端は線路が2本の複線で貨物列車が多く運行されてます。

【10】沼ノ端(21:01)→南千歳(21:15) 千歳線

【11】南千歳(21:24)→札幌(22:00) 快速エアポート

沼ノ端で千歳線に合流しましたが無人駅でシーンとしてました。南千歳で快速に乗り換えたほうが札幌到着が早いので途中下車。札幌で地下鉄に乗り換えて「コンフォートホテル札幌すすきの」にチェックイン。洗濯をしてたので就寝は0時を過ぎました。

3日目 札幌から弘前 北海道から本州へ

2020年10月20日

ホテルの朝食でパンや名物スープカレーを食して本州突入に向けて力をつけます。

【12】札幌(9:12)→小樽(9:44) 快速エアポート

快速エアポートのUシートに乗って快適移動。日本海を眺めて途中廃駅となった張碓(はりうす)を通過。

小樽を少しの間観光で歩き国鉄手宮線の廃線跡を歩きます。南小樽から分岐してた手宮線は1880年に開業した北海道最初の鉄道手宮~幌内間の一部で1985年の廃線当時は8か月だけ国鉄最短の路線となってたそう。

【13】小樽(10:53)→倶知安(12:10)函館本線

札幌でもらったGOTOクーポンで購入したのは北海道の飲み物シリーズ。一番右の「白い恋人チョコレートドリンク」はチョコアイスがそのまま溶けたような味でした(笑)

【14】倶知安(12:35)→長万部(14:08)函館本線

倶知安駅では2030年度末開業予定の北海道新幹線の工事が進行中。函館本線は前に乗車した時と比べて車両が新しくなっており快適。小樽から長万部は普通列車しか運行されてませんが2000年の有珠山噴火時は南の室蘭本線を走ってる特急がこの区間を迂回しました。なお小樽長万部間は北海道新幹線札幌開業によって廃線予定。

【15】長万部(14:35)→新函館北斗(15:49) 北斗12号

長万部からは特急北斗号で移動。なお函館本線はルートが北海道駒ヶ岳付近で二股に分かれていて最長ルートは海側の渡島砂原経由ですが2016年の時に乗ったのと特急が通るルートは未乗車ので今回は最短の運賃計算ルートを行きました。なおこの区間を含む乗車券はJRのルール上短い方で運賃計算され、どちらの経路も利用できます。

新幹線開業前は渡島大野という名前だった新函館北斗駅に到着しました。列車までは時間があるので周辺を散歩。開業前は何にもない更地だったのに一つの町ができたよう。

【16】新函館北斗(17:25)→新青森(18:24) はやぶさ44号

北海道新幹線で本州を脱出。座席は初利用のグランクラスでアテンダントの方が軽食のおもてなし。お弁当のほかパウンドケーキ、酒をはじめとするドリンクを味わいました。味にした酒は宮城県で作られてる「伯楽星」。

【17】新青森(18:31)→弘前(19:08) 奥羽本線

本州に上陸して最初の列車は奥羽本線の普通列車。帰宅ラッシュ時で3両編成の列車はそこそこ満員でした。乗車券は川部から五能線に入りますが宿泊が弘前のため乗車券を別途購入して弘前の有人改札へ。最初驚くもその後は順調に対応が進んで市内の「弘前ホテル」へ。なお夜食と朝食の調達はGOTOクーポンを使って近くのイトーヨーカドーへ。

次回からいよいよ本州を駆け回ります。

最長片道切符(2)東北編へ

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この記事を書いた人

埼玉県在住の乗り鉄です。2011年から日本の鉄道完全乗車を目指し、2022年に只見線で達成しました!ほかにも飛行機に乗るようになってJGCを取得、旅の移動は公共交通を利用します。

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